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「外国人を採用したら国からお金が出るって本当?」 「紹介手数料が高いから、少しでも助成金で回収したい」

採用コストにお悩みの飲食店の事務・経理担当者様から、このようなご相談をよくいただきます。結論から申し上げますと、「外国人を採用したから」という理由だけで無条件にもらえる助成金はありません。

しかし、既存の助成金制度を「外国人採用」にうまく適用させることで、数十万円単位のコストダウンを実現することは可能です。今回は、飲食店が外国人雇用において活用できる代表的な助成金と、その受給要件について解説します。

1. 最も使える!「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」

これは、非正規雇用の労働者を「正社員」に転換した場合に支給される助成金です。飲食店において、この制度が最もハマるのが「留学生アルバイト」を「特定技能(正社員)」に登用するケースです。

  • 活用パターン: 店舗でアルバイト中の留学生が、卒業後に「特定技能」の在留資格を取得し、そのまま店舗の「正社員」として雇用契約を結んだ場合に対象となります。
  • 受給金額の目安: 1人あたり 約57万円(※中小企業の場合)
  • 主な要件:
    • 6ヶ月以上、非正規(アルバイト)として雇用していること。
    • 正社員転換後の給与を、転換前より3%以上アップさせること。
    • 就業規則に転換制度を規定していること。

紹介会社を使わずに自社アルバイトを登用すれば紹介料は0円。さらに助成金(57万円)が入れば、採用コストは実質プラスになります。これは最強のコスト削減術です。

2. 教育費をカバー「人材開発支援助成金」

従業員に対して、職務に関連する専門的な訓練(研修)を行った場合に、経費や賃金の一部が助成される制度です。

  • 活用パターン: 外国人スタッフに対して、業務に必要な「日本語研修」や「調理技術研修」、あるいは「特定技能2号向けの試験対策講座」などを、勤務時間内に受講させた場合に対象となる可能性があります。
  • 助成内容: 訓練経費の45%〜75% + 賃金助成(時給換算)
  • 主な要件: 事前に「職業能力開発計画」を作成し、労働局に提出すること。

3. 意外な穴場「自治体独自の補助金」

地方自治体が独自に外国人材の受け入れ支援を行っているケースがあります。地域によっては以下のような補助が用意されています。

  • ビザ申請費用補助: 行政書士に支払う申請代行費用の一部を補助。
  • 家賃補助: 外国人従業員のアパート初期費用や家賃の一部を補助。
  • マッチング費用補助: 人材紹介会社に支払う手数料の一部を補助。

「〇〇市(店舗のある地域) 外国人 雇用 補助金」で検索するか、地元の商工会議所に問い合わせてみてください。

4. 助成金申請の「落とし穴」と注意点

【不支給にならないためのチェックポイント】

  • 解雇の制限: 申請の前後6ヶ月以内に「会社都合での解雇(リストラ)」を行っていると受給できません。
  • 適正な労務管理: タイムカード、賃金台帳、雇用契約書を整備し、残業代の未払いや最低賃金割れがないようにしてください。
  • 計画届は「事前の提出」が鉄則: 研修や正社員転換を始める前に「計画届」を提出する必要があります。

まとめ:プロ(社労士)と連携して賢く活用を

外国人採用に特化した助成金はありませんが、「外国人も対象になる日本の助成金」はたくさんあります。特に「キャリアアップ助成金」は、留学生を多く抱える飲食店にとって非常に相性の良い制度です。これを使わない手はありません。

ただし、申請手続きは複雑で、少しの書類ミスで不支給になることもあります。確実に受給を目指すなら、専門の社会保険労務士などへ事前に相談することをお勧めします。